家族の支えに感謝
岡本洋子さん(仮名) 59才 福岡市南区
平成十八年一月のある朝、目が覚めると頭痛がしてもう少し寝ておこうと思い目を閉じ、次に目が覚めた9時過ぎには口がきけず右の手足の感覚がなく動かなくなっていました。
何が起こったのかわからないまま立ち上がろうとしても力もはいらず台所まではっていったのですが、半身動けない状態で電話するにも起き上がることができなくて、誰か家族が帰宅して気がついてくれることをじっと待つしかなかったことを覚えています。
午後2時半に母と孫に発見され救急車で病院へ「先天性脳出血」で5・6時間に及ぶ手術は無事に済みましたが言葉・右手・右足のマヒとなってしまいました。
健康には自信があっただけに「なんで私がこんな病気になったのだろう…もう海外旅行へも行けない…もっと行っておけばよかった。」といろいろなことを悔やみました。
一ヶ月半の入院中はリハビリも気が重く、体が動かせないせいか便秘にも悩まされて過ごしました。元の職場の同僚の薦めで自宅へは戻らず湯布院の厚生年金病院へ行く決心をし介護タクシーで車酔いを気にしながら誰も知らないところへ不安な気持ちをかかえ、3月の雪がちらつく日に転院しました。
厚生年金病院はリハビリのスタッフと施設が充実されているところで最初に抱いていた不安な思いとは違い、担当のトレーナーとの相性もよくみるみる回復しそれまで動かなかった右手が十日目で動くようになり、少しずつ新しいことがこなせるようになっていくことが嬉しくてリハビリに励みました。
中でも一番楽しいリハビリは食事を作るOTのリハビリでした。3ヶ月半の入院生活で、文字も右手でかけるようになるまで回復し退院しました。厚生年金病院はリハビリ施設としてはすばらしい病院です。自宅へ帰った次の日から、食事の用意など時間がかかっても出来ることは「リハビリ!リハビリ!」と思いなるべきやれることは自分でやると決めてやっています。主人も掃除やいろいろなことを手伝ってくれます。
それから約1年半、右足には装具をつけ杖での生活をしていました。極力自分の動かない右足をかばわず日常生活を過ごしていましたが、無理をすると坐骨に痛みを感じそれを緩和するのに訪問マッサージを受けはじめ約7ヶ月です。医療保険で自己負担も少なく受けられるのでリハビリマッサージでケアしてもらっています。
おかげで、寒い日も右半身に違和感なく過ごせています。脳出血の後遺症でマヒになった右足も装具がとれ今は杖で歩けるようになり、リハビリマッサージの効果をすごく実感しています。
主人をはじめ家族に支えてもらって感謝しています。私自身日常の中「ありがとう」という言葉を素直な気持ちで口にするようになったことと以前にも増して健康を意識するようになりました。不自由な身体になっても、毎日向上心を捨てずにあきらめなくてよかったと実感する毎日です。
今後は、杖を使わず自分の足で歩くことを目標にして毎日を楽しく過ごすことを心がけています。
何らかの病で私のように、障害を負ってしまった方にはあきらめずにリハビリに取り組んでほしいと思います。